日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第43回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 43_2-C-S25-1
会議情報

シンポジウム
専門看護師、認定看護師、特定行為研修における現状と課題
*川本 利恵子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

1.CNSおよびCN発足の背景と現状現在、日本の看護職の活動は、現行法下での国家資格を基盤に行われている。しかし、看護を取り巻く医療状況の変化に伴い、より高度で卓越した看護実践能力を有する看護職の育成の必要性が、1990 年代の初めから検討され始めた。1994年に特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有し、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の役割を果たす専門看護師制度が発足した。大学院修士課程以上の教育を受けた専門看護師制度が開始されたが、専門看護師制度は、教育課程の認定は日本看護系大学協議会が行い、専門看護師の資格認定は日本看護協会が行うという制度設計である。1995年には、特定の認定看護分野において熟練した看護技術と知識を有し、実践・指導・相談の役割を果たす認定看護師制度も発足した。2.JANPU-NP発足と高度実践看護師制度改革の必要性の経緯2009 年に一定の範囲の診断や処方などの医療行為を行うなど裁量権の拡大により新たな役割を担うことができるように専門看護師教育課程を 26 単位から 38 単位に引き上げられた。教育内容の充実の背景には、少子高齢化社会に伴う医療提供体制の改革のため効率的かつ質の高い医療の提供を行う方策としてチーム医療の推進が掲げられたが、その中で看護師が事前指示書で特定の医行為が実践できるように看護師の特定行為研修制度が創設されたことによる。2015 年には、実践力強化に主眼を置いた「高度実践看護師」の育成をめざし、専門看護師とナースプラクティショナーから成る高度実践看護師制度が開始された。地域や在宅で療養を継続している人の増加に伴い、治療的・予防的介入や、またコミュニティの健康課題の解決などのために、主として医療機関で専門性の高い高度な看護実践を行う専門看護師だけでなく、ケアとキュアを統 合した全人的、包括的な看護ケアを提供するナースプラクティショナーの育成が必要とされたからである。制度提案に伴い、これまでの専門看護師教育課程にナースプラクティショナー教育課程(46単位)が創設された。このように、専門看護師、認定看護師、特定行為研修の設立までにはいろいろな経緯があり、それぞれ背景と教育内容を含む現状の課題があるので、そのことについて話題提供を行う。

著者関連情報
© 2022 日本臨床薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top