日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第43回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 43_2-C-S25-4
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看護師が薬理学を学ぶ意義と課題
*鍛治園 誠
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抄録

看護職は,医師からの薬物療法に関する指示に基づき,薬剤師が調剤(調製)した薬剤が,適切に患者に施行されるプロセスの最終段階を受け持ち,効果を発揮する状況を最後まで見届けることを担う職種である。そのためには看護師も薬物治療に対する正しい知識と理解のもとで患者に関わり,支援する必要があることは議論の余地はない。さらには,各領域の認定・専門看護師や特定行為に係る研修修了者などは,自らが実践するだけでなく,他の看護師を教育する立場でもあり,薬剤における知識の習得は不可欠なものと言える。薬剤を理解するうえで根幹をなす学問の一つが薬理学ではあるが,その学習は決して容易ではない。医師や薬剤師も学ぶ薬理学ではあるが,当然求められるものはそれぞれ異なり,看護師は効果的かつ安全に治療に用いる薬剤を管理する役割がある。実際の臨床現場は常に変化し,薬剤をはじめとする治療法は日進月歩である。薬物療法の意味を理解し,患者を援助できる力を基礎教育の中で学んでいく必要がある。与薬の実践者として患者に直接薬剤を与え,その効果や副作用を間近で観察する立場にある看護師には,薬物治療に関して高度で幅広い知識が求められている。座学で学ぶ薬理学をどのように臨床の場に応用していくのか,そこを考慮に入れた実践的臨床薬理学を身につけるためにはどうすればよいのか,薬剤師の立場から,チーム医療を含めた課題と今後の展望について皆さまと考える機会としたい。

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