主催: 日本臨床薬理学会
Decentralized Clinical Trial (DCT)は臨床試験・治験における新たな手法としてCovid-19の流行を機に大きな注目を浴びてきた。Post-コロナ時代においてはDCTの手法を適切に臨床試験に導入することが効果的かつ効率的な実施につながると言われ、日本のドラッグラグ・ドラッグロスを防ぐためのツールとして近年の大きなトレンドになっており、規制当局、医療機関、製薬関連企業のそれぞれの立場で導入に向けた議論が活発に行われている。
DCT導入におけるグローバルの視点においては、日本のみならず各国・各地域で課題があり、それぞれの状況に応じて実装が模索されている状況にある。DCTの普及に積極的なアメリカにおいては、コロナ渦におけるFull Remote DCTから対面診療を織り交ぜたHybrid DCTのアプローチが主流になりつつあり、導入の目的として「患者主体のアプローチ」及び「症例登録期間の短縮」に加え、「多様性への適応」の色合いも濃くなってきた一方、本質的なグローバル展開には至っていない。
本講演では、DCTの世界的な普及推進を目的としてアメリカで発足したNPO法人であるDecentralized Trials & Research Alliance(DTRA)の活動を通じて得られた各国及び各企業における取り組みの動向と、それらに基づいて日本でどのように取り組みを推進していくべきか、課題も含めて共有する。