主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
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【目的】医師の長時間労働を改善する取組みとして2024年から時間外労働の上限規制が適用となり,タスクシフティングの重要性が認識されている.特に通常診療に加えて臨床研究を行う施設では医師の負担が多い傾向にあり,研究支援体制の強化が急務である.医療文書の代行作成等を通じて通常診療における医師の負担軽減の一助となることが期待されている医師事務作業補助者が,臨床研究においてもタスクシフティングに寄与できれば,医師の労働環境がより改善し結果として質の高い臨床研究が遂行できると考えられる.そこで非臨床研究中核病院である当院において肝臓内科の医師事務作業補助者として勤務する私が,現在までに携わった臨床研究に関連する業務内容を振り返ることで,臨床研究における医師事務作業補助者が果たす役割と今後の課題を検討した. 【方法】2021年4月から2024年3月までに当科から提出した臨床研究の新規申請と変更申請の件数について,私が専属の医師事務作業補助者として採用された2022年9月前後で比較した. 【結果・考察】採用前の新規申請と変更申請は各々14件と90件であり,それらすべてが医師により作成されていた.一方で採用後の新規申請は20件に増加していたが,このうち13件(65%)は私が計画書の草案を作成しており,医師が作成したのは7件(35%)に減少していた.また採用後の変更申請77件のうち医師が申請したのは5件(6%)にとどまり,大部分の72件(94%)は私が申請を行った.臨床研究の件数が増加しているにも関わらず,医師による申請件数が有意に減少していることから,医師事務作業補助者が申請業務を代行することでタスクシフティングがなされたと考えられる.なお私が作成した申請書は,すべて研究責任者の確認を経て生命科学・医学系研究倫理委員会で承認が得られている.このように医学的専門知識がない医師事務作業補助者であっても,診療科の専属として業務を行うことで臨床研究の申請業務に必要な知識と経験をOn the Job Trainingとして習得することが可能となり,臨床研究における医師のタスクシフティングに繋がったと考えられた.今後はこの取り組みが臨床研究の質の向上にも寄与できるか検証を続ける必要がある. 【結論】非臨床研究中核病院における診療科専属の医師事務作業補助者は,臨床研究においても医師の負担軽減の一助となり結果として質の高い臨床研究の実現に貢献できる可能性がある.