日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
CRCの立場からGCP違反について考える
森下 典子
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p. 72_-

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抄録

 CRCは治験協力者として治験責任医師又は治験分担医師の指導の下に、治験の倫理性・科学性・信頼性(治験の3原則)を保証するために日々業務にあたっている。国際共同治験が主流になっている今、治験実施計画書(以下、プロトコール)の規定や手順が複雑かつ煩雑化する中で、CRCは経験年数問わず治験の3原則を遂行するためにプロトコールの細部にわたり注意を払いつつ、被験者ごとにスケジュール管理を行っている。  GCP違反は治験に携わる者は絶対に起こしてはならない行為であるが、医療機関で起きるGCP違反には、経験不足や無知からGCPに規定されている手続きを行わずに治験を実施してしまうGCP違反と、治験に携わる者が故意に起こすGCP違反に大別されると考える。GCP違反は治験実施医療機関、治験責任医師、CRCにとってもダメージは大きく、GCP違反を起こさないようにするために組織・個人それぞれで予防措置をとる必要がある。 特にCRCは逸脱件数とCRCとしての適性を比較して評価してしまう傾向があり、管理者の立場からは小さな逸脱の積み重ねの中から重大なGCP違反につながる要素が隠れていないかについても気を配る必要がある。また治験実施医療機関でGCP違反が起こった際に、最初に発見する可能性があるのもCRCである。その初期段階にいかに対応するかもその後の対応に大きな影響を与える。  治験に係る業務は通常診療と異なるプロセスを求められることが多いが、1つ1つに根拠があることをGCP省令と絡めながら治験責任医師、分担医師、CRCはもちろんであるが治験居力者になり得る職員にも理解してもらう必要がある。またGCP違反を発見した時には相手が誰であれ毅然とした対応ができるよう日頃からCRCとしての責任感の醸成も必要である。  一方、GCP違反を故意に起こす、すなわち不正を起こすことは残念ながら現実に起こっていることであり、過去の事例を他山の石とし、職場単位で不正を起こさない、起こさせないように取り組まなければならない。  GCP違反を起こすことは、その(一連の)行為が治験に協力している被験者の思いを無駄にするだけでなく、安全性も脅かすことになる。なにより将来多くの患者を救うかもしれない医薬品等が承認される機会を逸してしまう、あるいは承認が取り消しになることさえあることを、治験に携わる者は職業倫理として肝に銘じておかなければならない。

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