日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
臨床試験の質を高めるためのPMDAの取り組みについて
畠村 瑶子
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p. 73_-

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抄録

 昨年、公益通報をきっかけとして治験支援機関(SMO)における不正案件が発覚した。厚生労働省は、薬機法に基づき、当該SMOや当該SMOを利用していた医療機関に立入検査を行い、重大なGCP違反が行われていることを確認し、その事実を公表した。重大なGCP違反は、治験データの改竄、呼吸機能検査の不適切な実施、医師・施設スタッフ・CRCのID/PW共有、トレーニング代理受講、治験薬保管不備の隠蔽といった多岐に渡る内容であった。今回のような重大なGCP違反は、被験者の安全確保等の公衆衛生上の問題や申請品目の承認審査に影響を及ぼすだけでなく、日本で行われる治験に対する信頼が失われ、その結果、ドラッグ・ロスやドラッグ・ラグにも繋がる可能性もあり、日本の医療環境にも影響が及ぶと推測される。  PMDA信頼性保証部は、これまで、品目の特性や試験のデザイン等を考慮し、リスクに応じた適合性調査を実施してきた。治験実施計画書からの逸脱についても、逸脱の状況や評価への影響等を考慮して対応してきた。また、本不正事案の発生を踏まえ、重大なGCP違反を防ぎ、日本における臨床試験の質が向上するよう様々な取り組みを実施している。例えば、毎年開催している信頼性保証部説明会については、医療機関で臨床試験に携わる方にも聴講してもらえるような内容の説明会とし、臨床試験を適正に実施する上で、臨床試験に携わるより多くのステークホルダーに最新の情報を知っていただく機会を設けた。また、厚生労働省と連携し「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令の質疑応答集(Q&A)について」の中で、臨床試験の適切な実施に関する事例について周知している。その他、厚生労働省と連携し、新たに治験エコシステム導入推進事業を開始し、治験を実施する医療機関との意見交換、医療機関における治験実施時の手続きやコスト等の負担の実態等を調査し、国内治験環境の改善を目指している。  本セッションでは、このような臨床試験の質を高めるために行っているPMDAの最新の取り組み等を紹介する。 本セッションを通じて、重大なGCP違反を起こさせない、適正な臨床試験を実施するための一助となれば幸いである。

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