日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
会議情報

一般演題(ポスター)
臨床研究中核病院以外の研究実施機関における臨床研究の質向上のための支援
千田 実古川 愛志賀 剛
著者情報
会議録・要旨集 フリー HTML

p. 78-

詳細
抄録

【目的】本学では臨床研究中核病院のような充実した支援体制を構築することが難しいため、限られた人的リソースを効率的に配置し、CRO(メビックス)の指導も受けながら、臨床研究の質向上の支援として「QbDの考え方に基づく研究計画立案時における多職種者の参画」「EDCシステムを用いたDM及びモニタリング」を進めてきた。今回は以上の支援が研究の質向上に実際に貢献できたかを調査し、課題についても検討を行った。 【方法】「研究計画立案時における多職種者の参画」を行った研究5件及び「EDCシステムを用いたDM及びモニタリング」を行った研究4件と、以上の支援を行わずに実施された研究とを比較し、不適合の発生件数の比較を行った。また「EDCシステムを用いたDM及びモニタリング」を行った研究については、研究毎に「クエリ発行数」「モニタリング指摘件数」の推移を調査し、研究者へのフィードバックが研究の質向上に繋がっているかを調査した。また、対象とした研究の研究責任医師にヒアリングを行い以上の支援の有用性についても聴取した。 【結果及び考察】以上の支援を行った研究では、支援を行わなかった研究と比較して不適合の件数は減少し、支援を行った研究では重大な不適合は発生していない。また、研究毎にクエリ発行数、モニタリング指摘件数の推移を調査した結果、いずれの研究においても研究開始早期の段階では多かったクエリやモニタリング指摘件数が、データ点検やモニタリングを重ねる毎に減少し、DM及びモニタリングによる研究者へのフィードバックが研究の質向上に繋がっていることが示唆された。研究者へのヒアリングにおいても「よく練られた研究計画が立案可能となった」「データの質向上に役立ち、得られた結果も解析しやすい形式でデータベース化され結果を迅速に評価できるようになった」との意見が多かった。課題としては、限られた人的リソースで効率的に支援を行っているものの、多くの研究の支援は難しく、CRCをDM担当者に育成しDM業務と兼務する、更にはAIを活用して症例報告書のデザインを設計するなど、より一層の工夫が必要と思われた。 【結論】限られた人的リソースでも効率的に人員を配置し「研究計画立案時における多職種者の参画」「EDCシステムを用いたDM及びモニタリング」を行うことで、研究の質向上に実際に貢献できていることが確認できた。

著者関連情報
© 日本臨床薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top