主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
p. 79-
【目的】国内初となる約5000名の大規模小児VE(Vaccine Efficacy)試験を、日本医科大学の付属三病院(日本医科大学付属病院、日本医科大学武蔵小杉病院、日本医科大学千葉北総病院)にて実施している。付属三病院は、各々治験管理部門を設置し、院内CRCを配置しているが、本治験においては、土日に限定して被験者対応(規定Visit日)としたことから、学校法人日本医科大学に属する研究統括センター(治験チーム専従4名)が施設マネジメントを行うこととした。そこで、短期間(組入れ期間:2カ月予定)で、多症例を最小スタッフで動かす為の体制や工夫について、今後の治験実施モデルの参考になると考え、ここに報告する。 【方法】主に実施した以下の8点についての取り組みを紹介する。 (1) 院内診療スタッフの積極的な治験協力やSMOスタッフの分業体制の整備 (2) 付属三病院での共通手順業の策定 (3) 病院発信の積極的なリクルート活動 (4) 被験者予約システム導入による、多種媒体からの来院予約の一元化 (5) 大規模治験における同意説明の実施 (6) DCTとePROの活用による被験者及びCRCの負担軽減 (7) 大規模治験における負担軽減費支払いによる負担軽減 (8) 専用電子システムによる治験費用(研究費、負担軽減費等)管理・請求作業の実施 【結果及び考察】我々はVE試験(大規模治験)においては、無駄の排除や有効な革新的技術の利用が必要と考え、計画初期から治験依頼者と新たな体制モデルの確立とIT活用やDCTの実施(訪問看護)の検討を進めた。院内スタッフの役割と手順を明確にすることで、診療スタッフも治験にロール可能であることが示唆された。これによりVisitにおけるCRCの負担軽減と施設共同の手順の実装で、CRCが施設を横断的に管理することも可能になり、少数のCRCで大規模治験をコントロールすることも可能になった。尚、各取り組みに関する詳細な報告は別途行う。 【結論】IT技術の活用により、CRCの作業負担は大幅に軽減された。動画の補助説明や、訪問看護や治験予約システムの活用は、医療機関の負担軽減につながるのみならず、治験参加者から高い評価であった。大規模治験実施の発想は、今後の患者中心の治験にもつながっていくと考えている。