主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
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2019年6月に包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)検査が保険適用されてから、これまでがんゲノム情報管理センター(C-CAT)に登録されたCGP検査実施症例は2024年9月時点で85,064症例となり、本検査は日常がん診療に広く普及したと言える。CGP検査では多数の遺伝子変化を一度に解析を行い、それらの結果を根拠に既承認薬だけでなく、未承認薬や適応外薬の臨床試験や治験、先進医療等を含む幅広い治療選択肢が検討される。解析対象が腫瘍組織か血液の腫瘍由来のctDNAか、生殖細胞系列バリアントの診断が可能か、RNAシーケンスを含むかなど、特性が異なる5つのがん遺伝子パネル検査が保険承認されている。血液腫瘍における遺伝子パネル検査や全ゲノム解析の実装等、腫瘍領域でのゲノム医療は今後もさらに拡大していくことが想定される。 CGP検査では担当医だけで検査が完結せず、検査の説明と同意取得、検査実施から結果の解釈、患者説明に至るまで多くの領域との関わりを必要とする。特に検査実施においては病理医、検査技師との連携は必須であり、結果の解釈を行うエキスパートパネルでは、がん薬物療法専門医、臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー、バイオインフォマティクスの専門家等の幅広い職種が関わる。またこれらの職種間をつなぎ、意思決定支援などを通じて患者のケアに関わる役割として、がんゲノム医療に係る看護師、薬剤師、臨床検査技師等の医療従事者を対象としたがんゲノム医療コーディネーター(CGMC)の養成も進んでいる。 これらの検査の運用だけでなく、CGP検査の課題となっている治療到達率の向上においても、薬剤開発に関わる情報収集や、臨床研究への参加に関わるサポートなど、多職種での連携が重要と考える。 本シンポジウムでは本邦におけるCGP検査とそれに関わる多職種の現状について概説するとともに、今後の課題について議論する。