日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第46回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
外資系製薬企業の日本におけるドラッグラグ/ロス解消への挑戦とClinical Translational Research Hub設立の意義
佐藤 史佳
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p. 101-

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抄録

近年、日本におけるドラッグラグ/ロスの拡大は、医薬品開発分野における最重要課題の一つとなっている。国内の多くの関係者がこの課題を強く認識しており、解決に向けて産官学において多角的な対策が検討されている。 一例として、令和5年に厚生労働省から発出された「海外で臨床開発が先行した医薬品の国際共同治験開始前の日本人での第Ⅰ相試験の実施に関する基本的考え方について」では、国際共同治験開始前の日本人での第I相試験の実施に関する基本的な考え方が整理された。この通知により、国内外の臨床開発の連携が一層促進され、近年多様化するグローバル開発に柔軟に日本から参加する可能性は増えた。 また、従来から日本の実施医療機関の質の高さは海外からも認識されており、ノバルティスファーマではオンコロジー領域、ノンオンコロジー領域共にヒト初回投与(FIH)試験に日本から参加する、あるいは日本でFIH試験を実施する経験を積んできた。 2025年3月に、ノバルティス ファーマは、日本にClinical Translational Research Hub(CTRH)を設置することを発表した。CTRHは、日本国内で積極的にFIH試験および第I相/第II相の早期臨床試験を実施し、日本が早期段階から国際的な医薬品研究開発に貢献することを強化する。これにより、日本の医療ニーズをグローバル開発へ反映させるとともに、開発加速に向けたグローバルの多様な開発計画にも対応できる体制を構築する。CTRHは日本のドラッグラグ/ドラッグロス解消の一助にもなり得ると考えている。 本発表では、ノバルティス ファーマの早期開発戦略、そして日本人での第I相試験免除に関連するPMDA相談結果の分析、日本国内でFIH試験を実施した具体的な経験、さらに早期開発試験を国内で展開する際に直面しているハードルや実務上の課題について紹介する。今後、実績を元に積極的に日本の強みをより広く発信していく事が、中長期的なドラッグラグ/ロスの解消になると考えている。 本発表を通じて、外資系製薬企業の立場として、いかに日本が早期からグローバル開発に参画し、日本のドラッグラグ/ロス解消に貢献するか、議論するきっかけとなれば幸いである。

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