主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第46回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: 東京都千代田区
開催日: 2025/12/05 - 2025/12/06
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過活動膀胱(OAB)治療薬であるアドレナリンβ3受容体(β3‐adrenoceptor: β3-AR)作動薬は、世界に先駆けて本邦で開発・販売された。現在ではミラベグロン、ビベグロンという2つの薬剤が保険収載され、いずれも本邦の診療ガイドラインでは推奨グレードAである。NDBオープンデータの処方数量をみると、β3-AR作動薬は、同じ推奨グレードAである抗コリン薬を上回っており、本邦におけるOAB薬物治療において第一選択薬と言える。 薬理学的には、膀胱平滑筋層に存在するβ3-ARにノルアドレナリンが作用すると、cAMPを介するシグナル伝達が活性化され、膀胱の弛緩作用が増強することでOABの症状改善に寄与していることが考えられている。その一方で、膀胱におけるβ3-ARは、平滑筋層以外にも局在が確認されている。更に、ヒト摘出膀胱で膀胱弛緩反応を引き起こすβ3-AR作動薬の薬物濃度は、ヒトでの経口投与後の血中薬物濃度より明らかに高いことが報告されている。つまりβ3-AR作動薬は、膀胱弛緩増強反応以外の薬理作用を有しており、それがOABの症状改善をもたらしている可能性がある。この薬理作用の一部には膀胱知覚への作用が示唆されている。 本シンポジウムでは、OAB薬物治療の第一選択薬であるβ3-AR作動薬について、臨床および基礎研究の報告を踏まえ、疾患の病態機序と絡めて概説する。更には、β3-AR作動薬の臨床における課題にも触れたいと考えている。