日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第46回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
国民の健康を支える臨床薬理学―医師の役割と課題
田野島 玲大
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p. 93-

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抄録

 日本臨床薬理学会(本学会)1は1969年に前身の臨床薬理学研究会として設立され,1980年に「日本臨床薬理学会」へと発展的改組された.臨床薬理学は,「薬物と人の関係のあらゆる側面に関する科学」2であり,医師,薬剤師,看護師など多職種が参画する集学的な学術領域である.本学会は薬物治療学の科学的基盤の確立や新薬の臨床評価を中心に活動するとともに,専門医や認定薬剤師,認定CRC,認定専門職などの資格制度を整備してきた.これらを通じて,国民の健康増進に資する活動や専門家の育成に貢献してきた.  パンデミックの経験や臨床試験の国際化を踏まえ,臨床薬理学ならびに本学会の役割は重要性を増している.2023年には学会理念を策定し,「人々がより有効でかつ安全な薬物治療の恩恵を受けられるために貢献し、併せて臨床薬理学の普及向上を図ります。」をビジョンとし,ミッションも定めて学会の方向性を明確化した.  しかし,本学会には次のような課題がある. ・注力すべき領域の明確化や他学会との連携強化 ・若手会員,特に医師会員の減少への対応 ・教育プログラム整備の必要性 ・専門医制度取得の意義・メリットの明確化 ・学会としてのブランディング戦略  医師は本学会を通じて適切な薬物療法の実施,臨床研究,教育活動に取り組んでおり,その役割は極めて重要である.今後は,臨床研究支援組織(ARO)との協働による医学部講座設置や専門医のキャリア整備,各疾患の専門学会との連携による適切な薬物療法の推進に関する議論が必要である.これらの取り組みを通じて,国民の健康のために主導的な役割を担うことが期待される.  本講演では,臨床薬理学と本学会の歴史を紐解き,現状の課題を整理するとともに,医師が果たすべき役割と今後の展望について考察したい. 参考: 1.日本臨床薬理学会ウェブサイト https://www.jscpt.jp/ 2.一般社団法人日本臨床薬理学会 「臨床薬理学」 第4版 2017

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