日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第46回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
乳がん領域のCGPとCDx
深田 一平
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p. 92-

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抄録

がん遺伝子パネル検査が2019年6月に本邦で保険適用されてから約6年が経過し、10万人を超える患者に検査が実施されるなど、がんゲノム医療の臨床実装が進んでいる。しかしながら、検査対象が標準治療終了(見込み)の患者に限られていることや、検査後の薬剤到達率が約10%にとどまっていることなど、依然として多くの課題が指摘されている。現在の遺伝子パネル検査は、薬事承認された治療薬に対応するバイオマーカーの有無を判定する「コンパニオン診断(CDx)」と、複数の遺伝子異常を網羅的に検出する「がんゲノムプロファイル検査(CGP)」という異なる目的を有しているが、CDx機能については運用面における保険診療制度上の課題からその機能を十分に活用することが困難であることが多く、実臨床では多くのがん種においてCGP検査として運用されているのが現状である。一方、CDx検査が遺伝子パネル検査に限定されている薬剤が承認されるなど、ゲノム医療の進展とともに、臨床現場での運用に齟齬を来す場面もみられている。乳がん領域では、PIK3CA、AKT1、またはPTEN遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性HER2陰性乳がんに対して、AKT阻害剤であるカピバセルチブの保険診療下での投与が可能となったが、現時点において当該変異等を確認するための検査は遺伝子パネル検査に限られる。さらに、近年の臨床試験結果等を踏まえると、転移再発乳がん治療戦略を立案する上で、治療早期段階で遺伝子パネル検査を実施することが求められ、乳がんにおいては1次内分泌療法中に遺伝子パネル検査を実施する必要があるが、1) CDx検査として実施する場合には、標準治療終了が見込まれる段階でエキスパートパネルを実施しCGPとしての結果説明を行うまでは、検査費用の大部分が医療機関の負担となる。2) CGPとして実施した場合には、CDx結果のみを先行して説明することが認められておらず、また、乳がん1次治療中にCGP検査としてエキスパートパネルで検討することの妥当性についても議論の余地がある、などの解決すべき課題が多い。本セッションでは、乳がんの具体例をもとに、CDxおよびCGP検査の現行制度と臨床現場における運用上の課題を整理し、遺伝子パネル検査の価値を最大限に発揮するための今後のゲノム医療のあり方について議論を深めたい。

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