抄録
目的:本研究では,医療安全の分野におけるe-learningを用いた教育の現状について,教育内容,教育対象者等の特徴を検討し,その位置づけを明らかにすることを目的とした.
対象と方法:医学文献のデータベースであるPubMedを用いたシステマティックレビューを行い,119文献を採用した.
結果:文献数は,年々増加し(p=0.01),システマティックレビュー又はメタアナリシスの文献が2010年以降増えていた.教育対象者は,医師,看護職で約半数を占めた.教育目標は,知識,技術に加え,2015年以降は医療安全文化など態度を目標にするものが散見された.
結論:公表文献の調査は必ずしも教育現場の状況を直接示すものではないが,医療安全に関する関心の増加,e-learning手法の普及により,医療安全教育においてe-learningを用いた教育は増加傾向にあり,その教育対象者も医師・看護師,医学生・看護学生など幅広くなりつつあることが窺えた.教育効果の検証では,実際の医療安全の寄与について有害事象やエラーの件数などのアウトカムを用いた評価を可能にする仕組みづくりの検討が今後の課題であると考えられた.