医療の質・安全学会誌
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抗がん薬曝露対策が医療職の組織コミットメントに与える影響 −NHOネットワーク共同研究から−
櫻井 美由紀阿南 節子野中 俊英青儀 健二郎
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2021 年 16 巻 3 号 p. 351-355

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抄録
目的:医療従事者を,抗がん薬曝露による健康被害から守ることは医療安全行動の一つである.2016年に, 我々は抗がん薬曝露対策が看護師の組織コミットメント向上に影響することを調査し報告した.今回,2016年2月から2018年3月に実施されたNHOネットワーク共同研究「多施設共同抗がん薬曝露実態調査と医療従事者の安全確保のための「Hazardous Drugsの安全な取り扱い」の概念構築」に参加した32施設において,抗がん薬曝露対策の実施が医師,看護師,薬剤師の組織コミットメントに与える影響を調査した. 方法:抗がん薬曝露対策に取り組むという医療安全行動が,医師,看護師,薬剤師の組織コミットメントに正の影響を与えるという仮説を立て,本研究の参加者にアンケート調査を実施した. 結果:アンケート調査の回答を解析した結果,看護師と薬剤師では本仮説は支持された. 結論:抗がん薬曝露対策への取り組みは,看護師と薬剤師の組織コミットメントに正の影響を与えることが示された.
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