2021 年 16 巻 3 号 p. 365-371
岐阜大学医学部附属病院では複数の職員が新型コロナウイルス感染患者となり急遽これらを受け入れ対応することとなった.当該患者の受け入れ,院内感染対策の徹底,全外来診療の中止,濃厚接触者調査,マスコミ対応に対し災害に準じ指揮命令系統を確立し,適宜BCPに基づき対応した.準備・計画段階から危機感を組織全体として共有すること,次々と発生する緊急対応事案の発生を踏まえ拡張性・柔軟性を考慮した組織構築,BCP策定,業務量とのバランスを考慮した業務の集約化ならびに応援体制の確立が重要である.医療機関の規模ならびに背景により違いはあるもコロナ感染は全医療機関の問題として捉え,危機意識の共有のもとさらなる充実が求められる.