抄録
背景:わが国の患者安全教育の量的・質的不足が指摘されているが,コンピテンシー基盤型教育の時代においては,カリキュラムの元となる卒業時コンピテンシーを見直す必要がある.
方法:海外4カ国(米・英・加・豪)の卒業時患者安全コンピテンシーの項目を平成28年度版医学教育モデル・コア・カリキュラム(コアカリ)と比較した.
結果:全132項目のうち,37項目はコアカリA-6(医療の質と安全の管理)に,62項目はそれ以外に記述されていた.一方,コアカリに記述されていないものとして,質の改善,ロールモデリングに関する28項目を認めた.
考察:わが国では主に事故対応に関する項目を卒業時患者安全コンピテンシーとして記述していたが,今後,質改善活動などについても収載を充実させるとともに,診療の向上という視点から患者安全教育を再定義する議論が必要である.