医療の質・安全学会誌
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原著
視覚情報に基づく転倒予防ケア決定までの臨床判断ルーブリックの作成 −信頼性・妥当性の検討−
寺井 梨恵子丸岡 直子林 静子石川 倫子
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2024 年 19 巻 1 号 p. 14-25

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抄録
目的:転倒リスク場面における看護師の臨床判断能力について明らかにするために,「視覚情報に基づく転倒予防ケア決定までの臨床判断ルーブリック」を開発し,信頼性・妥当性を検討することである.
対象と方法:看護師10名,看護学生10名,計20名に対し,パフォーマンス課題を提示し,場面観察中の思考をパフォーマンス評価するために,インタビュー内容を基にルーブリックを作成した.評定者3名で看護師,看護学生20名の臨床判断を評価し,信頼性と妥当性の検討を行った.
結果:各観点のICC(3,1)は0.821~0.958の範囲内であり,一般化可能性係数(G係数=0.868)ともに,高い信頼性であった.決定研究(D研究)より,今回の11項目であれば評定者1名で高い信頼性を確保するものであることを確認した.また,弁別妥当性について確認された.I-T相関は0.300以下となる項目はなかった.
結論:本ルーブリックは信頼性・妥当性を確認し,視覚情報に基づく臨床判断のルーブリックとして活用できることが示唆された.
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