医療の質・安全学会誌
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総説
がん患者における患者報告アウトカムの実装に関する促進要因と阻害要因についての看護師の認識:系統的文献調査
奥山 絢子桑原 舞
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2024 年 19 巻 3 号 p. 263-276

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抄録
がん患者に適切なケアを提供するためには,患者の症状を注意深くモニタリングする必要がある.本研究では,患者報告アウトカム(PRO)の実臨床への実装について,看護師からみた関連要因を明らかにすることを目的とした.PubMed等を用いて,2017年1月17日から2023年1月18日に公表された英語文献を対象に,PROの実装について,看護師の認識を記述した24文献を選定した.抽出された要因は,The Consolidated Framework for Implementation Researchの5領域に分類した.結果,個々の患者に応じた対応がとれるようにすること(例:自由記載欄に医療従事者からの連絡を欲しいことを記述する),患者と医療従事者でPROの共通認識をもてるようにすること,更に,ファシリテーターとスタッフのオープンな対話や,スタッフが自信をもってPROを行なえるように試験期間を設ける等が必要なことが分かった.
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