抄録
多くの医療者が,チーム医療を妨げ他のスタッフを不快にさせる医療者の破壊的行動(DCB)の被害に合っている.アメリカではDCBを根絶するための対策が積極的に行われているが,本邦では対策が立ち遅れているのが現状である.そこで,本研究は総合病院の職員を対象に質問紙調査を行い(N=493),DCB被害実態について量的検討を行った.その結果,回答した職員の過半数がDCBの被害を経験し,その大半が直近1年に被害を受けていた.DCBは主に同職系間で行われるが,医師から他の職系への事案も報告された.また,上司や先輩による下方向のDCBが7割を占めたが,職系や職位において下位の医療者による上方向のDCBも一部確認された.被害の増加は,初心者とひとり立ちしてすぐの時期に集中していた.以上を踏まえ,病院組織で頻発する多様なDCBをどのように発見し対処するかについて議論した.