2025 年 75 巻 4 号 p. 373-389
本稿は,日本社会学会設立100年を振り返って,都市社会学と地域社会学の展開について論じる.この100年間は,近代化の100年であったが,「近代化」とは何であったのかをまずは再考する.鶴見和子らが,1974年に『思想の冒険』を出版し,「近代化論再検討」を打ち出したが,近代化の捉え方が「西欧対日本」的な一面性があった.都市社会学においても,シカゴ学派の影響と日本都市の特徴を「都市化」概念とL. ワースらの都市的生活様式に求める傾向が強かった.しかし,M. カステルらの新都市社会学によって,シカゴ学派の都市の定義や都市化概念が「近代化」の特徴と重なっていて,純粋に都市社会学による分析ではないという批判が登場してくる.
それは,都市化の後の郊外化から,都市への人口集中という都市化の基本特性が変化してきたこととも関連していた.また,都心業務地域のドーナツ化に対して都市再開発など経済的・政治的な都市政策が介入することから,人口の都心回帰という現象が起きているメカニズムとも関連している.さらに,21世紀に日本は,人口減少期に入って,地方都市をはじめとして,地域社会の衰退が問題となってきた.
このように都市化と近代化の概念を整理し,都市社会学,地域社会学の日本型モデルを模索する.