社会学評論
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300号記念特集「日本社会学会の百年」
戦後日本の社会階層研究
―人口・世帯・ジェンダーと不平等―
白波瀬 佐和子
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2025 年 75 巻 4 号 p. 390-405

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抄録

本稿は戦後日本の社会階層研究と,これからの社会学について議論することをめざす.議論は大きく4つのテーマからなる.(1)戦後の「社会階層と社会移動の全国調査」(SSM調査)と関連する階層研究の展開,(2)ジェンダーからみる階層研究,(3)人口・世帯の変動と社会階層,(4)少子化からみる階層格差の趨勢,である.第1のテーマでは,実証的社会学研究を支えてきたSSM調査実施の背景としての諸議論を紹介し,考察する.第2のテーマでは,1980年代,90年代,活発に議論された社会階層理論におけるジェンダー的視点について,世帯/家族内の関係に着目して議論する.

第3のテーマは,少子高齢化で代表される人口変動と社会階層との関わりに着目して,マクロレベルの社会とそれを支える個々人(ミクロ)との関係を検討する.そして第4のテーマでは,第5回から7回SSM調査の合併データを用いた出生力と学歴格差の分析を紹介する.重要な発見として,親学歴が子どもの学歴達成に及ぼす効果もさることながら,親の学歴による出生力の違いが子ども学歴達成と関連することが挙げられる.個人の出産,結婚等の人口学的要素を考慮して社会階層論を検討する重要性が高まっていることを,本稿では強調した.

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