抄録
小特集「女性と現代」に収められた三論文を関連づけるため、小論は現代女性の諸役割の関連をライフコース論の立場から考察することを企てる。すなわち、ライフコースを個人の成長サイクルを中軸とする諸経歴の、年齢によって特色ある組み合わせとして構成するとともに、家族成員それぞれのライフコースが逃れようもなくからまりあうことから生じる育児や介護をめぐる世代間および世代内葛藤に注目し、成長サイクルを直接支える女性がこれらの葛藤を自らの家族歴とその他の経歴との葛藤として受けとめてきたことを、概念的に解明する。つぎに、この点を女性のライフコースの現代的変化にかんするコウホート観察によって具体的にとらえなおし、最後に、女性の経歴間の葛藤克服の道を家族内外に措定して、あわせて小論につづく三論文への導入の役割を果たそうとするものである。