社会学評論
Online ISSN : 1884-2755
Print ISSN : 0021-5414
ISSN-L : 0021-5414
近代家族の境界
合意は私達の知っている家族を導かない
立岩 真也
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 43 巻 2 号 p. 154-168,262

詳細
抄録
私達がよく知っているはずの近代家族について少し考えてみると、次第にその像が曖昧になってしまう。これは一体どういうことなのか。いかなる権利や義務を家族に付与するか、そもそもその権利・義務を与えられる範囲をどこまでとするか。こうしたことを考えようとするなら、現象としての家族の最大公約数を記述するのでは足りず、既存の家族に対する介入・言及が近代に開始されることをふまえ、近代家族の構成に関わる原理・基底要因から、何が帰結するのかを検証する必要がある。 (第一節) その一つに合意という要素がある。これを広義の私的所有の規範として捉え、この規範が近代家族への変容の一つの軸を確かに担うこと、しかしこの契機それ自体を切り離した時、家族の外延的な定義、家族に固有に与えられている権利・義務の付与は不可能になることを確認する。 (第二節) では他にいかなる契機があるのか。こうして複数の要因が絡んでいるのだとすると、家族に関わる問題はどのように現れるのか。本稿に続く作業を最後に示す。 (第三節)
著者関連情報
© 日本社会学会
前の記事 次の記事
feedback
Top