2003 年 53 巻 4 号 p. 552-565
2001年日本社会学会のシンポジウムにおけるパネル討論での発表と議論を土台にしてそれをさらに拡大し, 「社会調査の困難」について米国で社会研究を行うものの立場から筆者が重要と考える以下の5つの問題に焦点をあてて論じる. (1) 「社会調査の困難」という概念について, (2) パネル調査の必要性と社会調査の目的との関連について, (3) 不完全情報の取り扱いについて, (4) 調査対象者の協力を得るということについて, (5) 調査対象者のインフォームドコンセントと人権保護について.