介護保険制度の導入により,「訪問看護」が,ようやく在宅サービスとして,認識されつつある状況下で,すでに医療は施設医療から在宅医療へと移行し,在宅に医療依存度の高い療養者が急増しつつある.在宅人工呼吸療法患者(今回は非侵襲的人工呼吸療法患者)を通して,訪問看護に期待される役割を考えてみた.在宅では,病状の急変時の対応や装着医療機器への不安は当然のことながら,介護状況や介護者の健康状況,住居環境まで幅広い問題がある.訪問看護の役割は,単に医療チームとの連携だけでなく,生活を支えるさまざまな職種との連携をはかり,療養者や家族が安心して,療養を継続できる環境を整備することではないだろうか.