2001 年 11 巻 2 号 p. 226-230
呼吸リハビリテーションは医療チームを編成し包括的に行われる必要があるが,本邦では包括的な医療の概念や呼吸リハビリテーションに関する教育,医療スタッフの育成は不十分で,プログラム管理に関する実践的な資料も不足している.チーム医療は,単に異なった専門職が集まっているだけではなく,構成メンバーが患者の目標や情報を共有し,各職種が専門的な機能を発揮しながら全体として調和した働きができることにより成果をあげるといえる.順天堂医院では,interdisciplinary team の形態で多くの専門職が参加した医療チームを編成している.看護婦がコーディネータ役を行うことが,チームアクティビティの維持,患者モチベーションの向上に大きく関与した.今後,日本呼吸管理学会が中心となりマニュアルを含むガイドラインを作成することにより呼吸リハビリテーションが包括的なプログラムとしてさらに普及していくことが期待される.