日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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11 巻, 2 号
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ワークショップ
  • 木田 厚瑞, 石川 朗
    原稿種別: ワークショップ
    2001 年 11 巻 2 号 p. 217-218
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー
  • 桂 秀樹
    原稿種別: ワークショップ
    2001 年 11 巻 2 号 p. 219-225
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    呼吸リハビリテーションは,慢性呼吸器疾患の包括的かつ標準的治療として位置づけられている.このような呼吸リハビリテーションを効果的に実施し,QOLの高い在宅ケアを維持するためには,地域に根ざしたチーム医療として実施されなければならない.医師は,呼吸リハビリテーション・プログラムのみならず,地域を含めた医療チームのチームリーダーとしての役割を担う必要がある.

  • ―プログラムコーディネータの役割―
    山口 聖子, 滝沢 真季子, 植木 純, 福地 義之助
    原稿種別: ワークショップ
    2001 年 11 巻 2 号 p. 226-230
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    呼吸リハビリテーションは医療チームを編成し包括的に行われる必要があるが,本邦では包括的な医療の概念や呼吸リハビリテーションに関する教育,医療スタッフの育成は不十分で,プログラム管理に関する実践的な資料も不足している.チーム医療は,単に異なった専門職が集まっているだけではなく,構成メンバーが患者の目標や情報を共有し,各職種が専門的な機能を発揮しながら全体として調和した働きができることにより成果をあげるといえる.順天堂医院では,interdisciplinary team の形態で多くの専門職が参加した医療チームを編成している.看護婦がコーディネータ役を行うことが,チームアクティビティの維持,患者モチベーションの向上に大きく関与した.今後,日本呼吸管理学会が中心となりマニュアルを含むガイドラインを作成することにより呼吸リハビリテーションが包括的なプログラムとしてさらに普及していくことが期待される.

  • 小川 智也, 渡辺 文子, 谷口 博之, 近藤 康博, 三河 健一郎
    原稿種別: ワークショップ
    2001 年 11 巻 2 号 p. 231-237
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    米国の呼吸リハビリテーションガイドラインにおいて,下肢トレーニングを中心とした運動療法は,COPDに対する包括的呼吸リハビリテーションの核とされている.我々はCOPD患者を対象に運動療法を核とした外来呼吸リハビリテーションプログラムを施行し短期効果,長期効果を検討した.また,運動耐容能の評価として漸増運動負荷試験,定常運動負荷試験による呼吸リハビリテーションの効果判定を行い,運動耐容能の評価法による違いを検討した.さらに,COPDの骨格筋と運動耐容能などとの関連に着目し,運動耐容能と大腿四頭筋筋力の相関性についても検討した.

  • 平田 守, 野村 浩一郎, 海老沢 雅子, 平松 久弥子, 木村 和義, 北野 桂介, 後藤 一純
    原稿種別: ワークショップ
    2001 年 11 巻 2 号 p. 238
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー
  • 西村 浩一, 月野 光博
    原稿種別: ワークショップ
    2001 年 11 巻 2 号 p. 239-243
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    呼吸器疾患の領域においても,健康関連quality of life (QoL) の評価についての必要性が高まっている.目的により,包括すべき構成要素を決定し,さらに重み付けを行って,数値として測定結果を表現するように作成された尺度を使用して,科学的に評価が行われている.COPDにおける疾患特異的な尺度としては,Chronic respiratory disease questionnaire (CRQ) とSt. George\'s respiratory questionnaire (SGRQ) がもっともしばしば使用されており,呼吸リハビリテーションに関連した臨床試験においても,これらは重要な結果の評価方法と考えられるようになった.反応性に優れた疾患特異的健康関連QoL評価尺度を使用することによって,呼吸リハビリテーションに伴う患者の改善を評価することが可能となった.欧米での多くの臨床試験の結果により,呼吸リハビリテーションの健康関連QoLに対する効果についてのエビデンスが蓄積されている.

原著
  • ―実施者の経験度からみた比較―
    星 重美, 加藤 敦子, 菅野 紀子, 関根 忠男, 田口 治, 山根 喜男
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 244-248
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    呼吸器外科全麻術後の患者に対し呼気時圧迫による呼吸介助法を施行し,その急性効果の有無とそれに対する実施者の習熟度の影響を検討した.呼吸介助法はバイタルサインや血液ガスに大きな変化を起こさず,咳嗽のしやすさや喀痰の出しやすさなどの自覚症状の改善に有用である可能性が示唆されたが,ある程度経験を必要とすると考えられた.しかし,呼吸曲線モニターの併用で習熟度の差を改善することが期待できると思われた.

  • 川俣 幹雄, 田平 一行, 奥道 恒夫, 倉岡 俊彦, 千住 秀明
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 249-254
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    肺切除を行った患者114例を対象に,術後合併症に対する呼吸理学療法の予防効果を検討した.呼吸理学療法実施群50例での無気肺発生症例数(発生率)は1例(2%)であり,肺炎,気管支鏡による吸痰,再挿管,死亡症例はいずれも0例であった.対照群64例での無気肺発生症例数(発生率)は11例(17.2%),肺炎3例(4.7%),気管支鏡による吸痰7例(10.9%),再挿管1例(1.6%),死亡0例であった.無気肺発生率,気管支鏡による吸痰患者数は呼吸理学療法実施群で有意に低値であった(p<0.05).これらのことから,呼吸理学療法は術後の無気肺,去痰不全を減少させ,肺炎も減少させる可能性があることが示唆された.また,無気肺の発生病日は1病日目1例,2病日目7例,3病日目4例と全例が3病日以内の発生であり,無気肺をさらに減少させるためには早期集約型の理学療法の重要性が示唆された.

  • 佐々木 誠, 竹沢 実
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 255-259
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    慢性閉塞性肺疾患患者における呼吸困難感の原因を模索する一助として,健常若年女性14名を対象に,6種類の上肢使用日常生活活動の特性を判別することを試みた.各活動の運動負荷を呼吸循環ならびに自覚的運動強度のパラメータで測定し,正準判別分析を行った結果,各6動作は心拍数,酸素脈,呼吸数,一回換気量,酸素摂取量,二酸化炭素排出量,上肢の自覚的運動強度,全身の自覚的運動強度を採用した場合に,約62%の確率で判別可能であった.また「整髪動作」は,呼吸循環反応が少ないにもかかわらず,自覚的運動強度が強い特性が示唆された.

  • 南雲 房子, 高橋 みはる, 戸田 雅美, 今藤 好子, 釼持 泰美, 関谷 美智子, 吉嶺 文俊, 大野 康彦
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 260-262
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    成人気管支喘息患者に対する吸入ステロイド薬(フルチカゾン:PF)の吸入指導を,吸入手技評価,残薬確認および経口ピーク吸気流量(PIF)測定を用いて評価した.吸入手技満点かつ残薬なしであった指導良好群(69例中45例)のPIFは,それ以外の患者群に比べて有意に高かったが,PIFが60~100 L/minの症例の一部においてもみ残薬を認めたことより,外来における継続的な指導評価が重要と思われた.

  • ―本邦初の脳死片肺移植症例の術前および術後1年間の経過―
    上月 正博, 後藤 葉子, 森 信芳, 黒澤 一, 吉田 一徳, 岡田 克典, 近藤 丘
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 263-268
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    本邦初の脳死肺移植症例の術前後のリハビリテーション(リハビリ)を経験した.症例は39歳女性.肺リンパ脈管筋腫症による慢性呼吸不全により1999年5月より当科で移植前リハビリを開始した.2000年3月に脳死肺移植(右片肺)を施行.移植6ヵ月後には室内気下での6分歩行距離は400mまで回復し,職場復帰を果たした.移植1年後も状態は安定している.本症例の経過を追いつつ,今後の移植に備えた体制をさらに充実させたい.

  • 岩田 美千代, 松井 祥子, 松村 理恵子, 澤田 愛子, 小林 正
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 269-274
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    富山市医師会地域の医療機関における在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy,以後HOTと略)の現状を調査した.その結果,回答施設中でHOT患者を診察したことのある施設は166施設中65施設(39.2%)であり,診察したことのない施設101施設中今後のHOT患者の受け入れを可能としている施設は27施設(29.7%)であった.在宅医療の先駆的存在であるHOTが今後さらに充実していくためには,医療機関同士の情報公開などの病病連携・病診連携が不可欠であり,そのためには,医師会や行政などを中心とする地域ケアシステムの構築が必要と考えられた.

  • 石川 朗, 望月 藍
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 275-280
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    60歳以下のHOT施行者の現状について就業状況を主に調査分析した.HOT導入後の就業の有無に関し,年齢やFHJ分類等の患者背景に特徴的なことはみられなかった.また,職場では積極的な支援や対応が少ないことと,酸素濃縮器の職場への設置に関わる経済的負担が今後の問題として推察された.就労の積極的な推進には,個々の仕事の内容やHOT施行状況の検討が不可欠であり,加えて職場での酸素濃縮器の設置に対する診療報酬の整備が,早急に望まれた.

  • 荒谷 隆, 宮本 顕二, 笠原 敏史, 山中 正紀, 高橋 光彦
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 281-284
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    雪国における在宅酸素療法患者のための携帯用小型酸素ボンベ運搬用カートを製作した.既存のスキー板を改良したものを従来のカートに装着することで,雪道での雪の抵抗を軽減し,軽い力で牽引可能で,走行安定性も優れ,かつ,安価なカートを製作できた.このようなカートの開発は寒冷地における在宅酸素療法患者の社会復帰を促す一助となるものである.

  • ―CRQとSF-36の対比―
    清川 憲孝, 高橋 仁美, 菅原 慶勇, 笠井 千景, 土橋 真由美, 敷中 葉月, 澤田石 智子, 加賀谷 斉, 佐藤 一洋, 伊藤 伸朗 ...
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 285-289
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    COPD,肺結核後遺症,脊柱後弯・後側弯症に対して,CRQおよびSF-36を使用して健康に関連した生活の質(HRQoL)の評価を行い,非COPDについてもCRQによる評価が適当であるかを検討した.Pearsonの相関係数およびstepwise回帰分析を用い統計処理したところ,3疾患群でほぼ同様の結果が得られ,CRQは非COPDにおけるHRQoL評価方法としても有用であることが示唆された.

  • ―問題へのアプローチ―
    藤居 佳子, 土居 洋子, 小島 美佐子, 山元 幸枝, 長尾 貞子
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 290-295
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    中学進学を目前に控えた在宅酸素療法(home oxygen therapy, HOT)下にある3人の女児とそれぞれの家族が抱える問題は,行動範囲の制限,身体イメージの変化,中学進学に対する期待と不安であり,中学校の理解と協力を必要としていた.患児とその家族だけで問題解決に向けて努力するのではなく,患児をよく知る看護職者が地域に出向き,家庭訪問をし,実際の生活を知り,小中学校の教員にHOTに関して文章による説明と話し合いを行い患児のクオリティーオブライフの向上に寄与した.

  • 有田 健一, 大橋 信之, 北原 良洋, 田村 直美, 川端 美智枝, 富田 美恵子
    原稿種別: 原著
    2001 年 11 巻 2 号 p. 296-301
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    肺癌患者100名の遺族に対して告知と終末期に関するアンケート調査を行い70名(70%)の遺族から回答を得た.癌告知率は35%であった.告知した患者の遺族の63%がこの告知を後に正しかったと評価した一方で,告知しなかった患者の遺族の67%がこの行為を良しとした.診断確定前後と寝たきり状態になった前後の時期以後に家族は強い辛さを感じた.特に告知を拒否した家族はどの臨床時期にも強い辛さを感じる傾向であったが,告知を考え実行した家族は終末期まで比較的辛さをコントロールできる傾向がみられた.

総説
  • 安藤 守秀, 岡澤 光芝, 榊原 博樹
    原稿種別: 総説
    2001 年 11 巻 2 号 p. 302-312
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    胸部理学療法は気道の管理を中心とした理学療法手技のことを指し,その基本的内容としては幾つかの排痰手技が含まれる.近年科学的検討が重ねられ,胸部理学療法の臨床的有効性が証明された.また新しい手技も多く編み出されているが,咳嗽・強制呼出,体位ドレナージを組み合わせた伝統的手技を大きく上回るものは見い出されていない.胸部理学療法は呼吸リハビリテーションの一部を占め日常診療におけるその正しい位置づけが望まれる.

症例報告
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