いびき,無呼吸,日中の眠気などを訴えて,終夜睡眠ポリグラフ検査を施行した成人男性112例を対象として,20歳時よりの体重変化とAHIの程度を検討した.
20歳より体重変化が大きくなるにつれてAHIは高くなり(P<0.0001 : 一元配置分散分析),20 kg 以上増加した群で96%,BMIが10以上増加した群のすべてにCPAP保険適用となるAHI20以上の閉塞型睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)を認めた.しかし,体重変化の少ない群にも重症のOSAHSが認められ,加齢の影響,または解剖学的な問題により,体重増加が少なくても重症のOSAHSにいたったのではないかと考えられた.
いびき,無呼吸があり体重増加を伴っている群に対しては,早期にOSAHSの診断,治療,減量などのアプローチをすることが,職域健診などで可能であると考えられた.