2002 年 11 巻 3 号 p. 450-453
症例は44歳男性,慢性肺血栓塞栓症のため,2000年11月より在宅酸素療法(HOT)(O2 ; 2 L/min, 24 hr)が導入された.復職時の再評価で,歩行試験にて動脈血酸素飽和度(SpO2)の著明な低下を認めたため酸素処方が3 L/min に変更された.さらに,業者のご厚意で職場内に酸素濃縮器が新たに設置され,酸素増量に伴う携帯ボンベの容量不足が解消された.HOT患者の社会復帰,SpO2モニターによる外来管理などの観点から示唆に富む事例と思われる.