日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
慢性閉塞性肺疾患患者におけるβ2受容体刺激薬の効果
―QOLとADLに及ぼす影響─
佐藤 一洋塩谷 隆信佐竹 將宏敷中 葉月清川 憲孝土橋 真由美笠井 千景澤田石 智子菅原 慶勇高橋 仁美加賀谷 斉伊藤 伸朗本間 光信
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2003 年 12 巻 3 号 p. 318-325

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抄録

12例のCOPD患者に対してβ2刺激薬であるプロカテロールと抗コリン薬であるオキシトロピウムを投与し,呼吸機能,運動耐容能,QOL,ADLに及ぼす影響について検討した.急性期の効果では,プロカテロールは,COPD患者の肺活量,1秒量および残気量を有意に改善し,オキシトロピウムは肺活量と1秒量を有意に改善した.3ヵ月間の長期効果では,プロカテロールは肺活量,1秒量,6分間歩行距離,ADLを有意に改善したが,オキシトロピウムでは有意な改善はみられなかった.プロカテロール,オキシトロピウムともにQOLの有意な改善はみられなかった.β2刺激薬の定期的吸入療法は,COPD患者の呼吸機能,運動耐容能を改善し,ADLを向上させる可能性が示唆された.

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© 2003 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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