12例のCOPD患者に対してβ2刺激薬であるプロカテロールと抗コリン薬であるオキシトロピウムを投与し,呼吸機能,運動耐容能,QOL,ADLに及ぼす影響について検討した.急性期の効果では,プロカテロールは,COPD患者の肺活量,1秒量および残気量を有意に改善し,オキシトロピウムは肺活量と1秒量を有意に改善した.3ヵ月間の長期効果では,プロカテロールは肺活量,1秒量,6分間歩行距離,ADLを有意に改善したが,オキシトロピウムでは有意な改善はみられなかった.プロカテロール,オキシトロピウムともにQOLの有意な改善はみられなかった.β2刺激薬の定期的吸入療法は,COPD患者の呼吸機能,運動耐容能を改善し,ADLを向上させる可能性が示唆された.