2003 年 12 巻 3 号 p. 339-344
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の運動耐容能に,大腿四頭筋筋力が大きく関与していることが知られている.今回,COPD患者の運動耐容能に関する因子について,Shuttle Walking Test を(SWT)用い,大腿四頭筋の最大筋力を体重で除した値である体重支持力指数(Weight-Bearing Index ; WBI)0.6以上の群および0.6未満の群に分け,検討した.その結果,WBI 0.6以上の群ではSWTと最高酸素摂取量(Peak VO2),WBI 0.6未満の群ではSWTと大腿四頭筋筋力が最も強く相関した.この結果から,COPD患者における運動処方として,WBI 0.6未満では大腿四頭筋の筋力強化,WBI 0.6以上では酸素摂取量増加を目的とした運動療法が効果的である可能性が示唆された.