日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
高齢者慢性呼吸器疾患における通信機器の利用に関する実態調査
若林 律子桂 秀樹山田 浩一茂木 孝西村 直樹小俣 雅稔後藤 里江木田 厚瑞
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2003 年 12 巻 3 号 p. 407-411

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抄録

呼吸ケアにおいてTelehealthの導入が効率を著しく高める可能性がある.そこで,高齢者の呼吸器疾患患者の通信機器の使用状況に関する実態調査を行い,問題点を点検した.

安定期の高齢者の慢性呼吸器疾患を有する患者99例(平均年齢:76.7±0.7歳,男:66名,女:33名)に対し10問からなる通信機器使用に関するアンケート調査を行い,結果をスコア化し定量評価した.

通信機器を使用しているスコアは年齢と逆相関した(r=-0.42,p<0.0001).男女間では有意差はみられなかった.留守番電話,FAXの使用者はいずれも40%以下であった.また,ビデオの使用者は50%以上いたが,実際に自分で予約録画できる例は25%であった.ITという言葉の認知状況は46%,Internetの認知状況は47%であった.携帯電話の使用者は16%であり,パソコン使用の経験者は13%であった.

操作が簡単な機器は半数近くの高齢者が使用可能であった.このことから高齢者医療にTelehealthを普及させるためには,機器の簡易化が必要であると示唆された.

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© 2003 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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