2003 年 13 巻 2 号 p. 377-381
強度の呼吸困難により長期臥床を強いられ,離床,ADL向上に難渋し,酸素投与のみでは効果的な運動療法の実施が困難である症例に対し,酸素投与に加え,バッテリーを搭載し,自由な移動を可能としたNPPVを併用し運動療法を施行した.その結果,酸素投与のみでは実施困難であった運動療法の遂行が可能となり,離床,ADL向上がスムーズに進むなど十分な短期効果が得られた.さらにNPPV併用なしでの歩行獲得にも成功した.今後,適応基準の問題など課題も残されているが,NPPVの併用による運動療法は,呼吸機能障害が高度となり,酸素投与のみでは運動療法施行が困難な患者に対し,著明な呼吸困難を感じさせることなく運動療法を施行できる新しい方策と思われた.