睡眠呼吸障害には,睡眠時無呼吸とrapid eye movement (REM) 睡眠関連低換気がある.睡眠時無呼吸には心不全,脳疾患時にみられる中枢性無呼吸(チェーンストークス呼吸)と,通常激しい鼾を伴う閉塞性無呼吸がある.閉塞性無呼吸の場合,病態は吸気時に生じる上気道の狭窄,閉塞にあり,上気道を持続的に開存させるCPAPは治療の基本となる.REM睡眠期を中心にみられる睡眠中の低換気に対して,上気道確保のみでは十分な換気を得ることが困難な場合,吸気筋にかわって吸気圧と呼気圧の差で換気を補助するBilevel PAP が適応となる.
外来呼吸リハビリテーション(外来呼吸リハ)を18ヵ月以上継続しているCOPD患者を60歳代,70歳代,80歳代の3群に分け,年代ごとの改善率の比較と各年代における長期効果について検討した.年代ごとの改善率の比較を行った結果,80歳代で Borg scale が外来呼吸リハ施行後6ヵ月に60歳代と70歳代よりも有意に増加(p<0.05)した以外,3群間で呼吸機能,胸郭拡張差,呼吸筋力,6MDおよびHRQoLの改善率に差を認めなかった.各年代における長期効果では,各年代とも呼吸機能,胸郭拡張差,呼吸筋力,6MDおよびHRQoLを長期にわたり改善し,その効果を維持することができた.COPD患者に対する外来呼吸リハは年代を問わず有益であると考えられ,改善効果を維持するためには継続する必要性があると推察された.
チェーン・ストークス呼吸を合併したうっ血性心不全患者5例(心エコー上左室駆出率<30%)を対象に,1年間の持続気道陽圧の効果を検討した.5 cm H2O の持続気道陽圧により,チェーン・ストークス呼吸は消失し,無呼吸・低呼吸指数は減少した.左室駆出率も治療3ヵ月までは改善した.持続気道陽圧は,うっ血性心不全患者のチェーン・ストークス呼吸,睡眠の質および心機能を改善し,その非薬物療法として有用と思われた.