2004 年 13 巻 3 号 p. 444-449
われわれは簡易問診票とパルスオキシメトリーを用いて地域・職域で活用できる簡便な睡眠呼吸障害のスクリーニング法について検討してきた.その結果,わが国における睡眠呼吸障害の有病率は欧米の報告と同様に高いこと,基本健康診査受診者において睡眠呼吸障害の程度と血圧値が関連することが示された.また,事業所での検討では主観的な眠気と末梢血酸素飽和度の低下指数との関連を認めた.睡眠呼吸障害のスクリーニングを従来の健康診断に加え,睡眠呼吸障害の軽減を図る保健指導を事後措置として進めることは,高血圧等の生活習慣病の予防・管理,居眠りによる事故防止に寄与する可能性が高いと考えられる.