2005 年 14 巻 3 号 p. 482-486
非侵襲的陽圧換気(Non-invasive Positive Pressure Ventilation ; NPPV)療法を受けている慢性呼吸不全患者の気管切開下人工呼吸療法に対する意思決定プロセスを明らかにすることを目的に,質的研究を行った.NPPV患者は,《生きることへの限界》と《NPPV療法と生きる中で獲得した満足感》を中核とし,《気管切開後の生活のイメージ》,《介護してくれている家族への思い》.《残された日々への希望》が影響を与えながら【気管切開をして生きる意味】を問い,気管切開下人工呼吸療法に対する意思決定を行っていることが明らかとなった.