日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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症例報告
頸髄損傷急性期における呼吸機能の推移と理学療法
石井 光昭
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2005 年 14 巻 3 号 p. 496-499

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抄録

第5頸椎脱臼骨折による頸髄損傷者の急性期における腹部コルセットとabdominal thrust(咳嗽補助手段)の有用性を検証することを目的として,努力性肺活量(FVC)と咳嗽時ピークフロー(PCEF: Peak cough expiratory flow)の推移を調査した.FVC,PCEFともに受傷後30日までは急速に改善し,その後は緩徐に回復した.FVCは座位では背臥位に比べ平均 520 m<i>l</i> 低下したが,腹部コルセットの使用により平均 190 m<i>l</i> の低下にとどまった.PCEFはabdominal thrust により平均 37 L/min(40%)増加した.FVCの増加とPCEFの改善には有意な相関を認めた.

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© 2005 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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