日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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緊急ワークショップ
阪神淡路大震災の教訓
―在宅酸素療法患者の安否確認とその対応マニュアルの作成と地域に適した対策を―
山本 昌司
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2006 年 15 巻 3 号 p. 345-347

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抄録

平成7年1月17日に起こった阪神・淡路大震災は,われわれ医療機関に働く者,特に在宅医療に携わる者にとって数多くの教訓を残した.震災当時のHOT患者は29名(内,気管切開によるHMV 1名)おり,安否確認と酸素の供給,職員による自宅訪問,避難所の往診・訪問,ボランティアによる患者訪問,来院患者からの情報提供,地域開業医との情報交換,酸素納入業者への依頼などの役割が大きかった.<br>今後の対策はどのようにすべきか,当院の経験から患者データの整理(個人情報保護法の問題はあるが),酸素供給方法の問題,行政機関への働きかけ,マスメディアへの対応,地域医療機関との連携,ネットワーク作りなど,いつ災害が起こってもおかしくない現在,日常的にこれらのことを気にかけておく必要性を提案する.

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© 2006 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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