日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウムⅢ
HOTシステムの現況
―在宅呼吸ケア白書より―
植木 純
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2006 年 15 巻 4 号 p. 535-539

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抄録

在宅酸素療法(HOT)の上位5疾患はCOPD 48%,肺結核後遺症18%,肺線維症等15%,肺がん5%,びまん性汎細気管支炎2%で,約10年前の全国調査に比してCOPDが増加し約半数を占めるにいたった.HOT施行患者,HOTおよび在宅人工呼吸療法(HOT+HMV)施行患者の平均年齢は71.4歳,73.5歳と高齢化を示している.6年以上の実施者がそれぞれ41%,49%を占め,HOT,HOT+HMV施行患者の予後が改善しつつあることも推測される.設置型酸素供給装置の使用内訳では,酸素濃縮器が94%,液体酸素が6%で,米国のHOT患者とほぼ同様の割合であった(Medicare),患者サイドからは自己管理能力,セルフモニタリング技術の向上への指導が強く要望されていた.特に「療養生活についてもっと教えてほしいこと」の上位3項目はすべて呼吸リハビリテーションに関連する内容である.災害・故障など緊急時の業者の対応についての説明,保守管理体制についての説明に関してもさらに徹底される必要があることが明らかとなった.

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© 2006 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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