日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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イブニングセミナーⅡ
睡眠呼吸障害における血漿Orexin-A濃度測定の意義
西島 嗣生高橋 進櫻井 滋高橋 和広
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2006 年 15 巻 4 号 p. 551-556

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抄録

閉塞型睡眠時無呼吸症候群は睡眠中の上気道閉塞により,繰り返し生じる呼吸の停止によって睡眠が分断され,日中の過眠や高血圧をはじめとする循環器合併症を高率に伴い,生命予後を悪化させる症候群である.

睡眠障害の評価は脳波以外の方法では困難であり,眼球運動と体動などから間接的に推定するなど,種々の簡易的な検査法が存在する.しかし,そのいずれもが一定時間の睡眠状態を観察する手段であることに変わりはなく,患者は検査施設や家庭において測定機器を装着して睡眠する必要がある.そこで,さらに簡便なスクリーニング指標,特に検体検査による睡眠障害評価指標の登場が待望されている.本稿では,閉塞型睡眠時無呼吸症候群の重症度を反映する新規血漿マーカーとして,著者らが検討してきたOrexinについて概説したい.

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© 2006 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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