2009 年 19 巻 3 号 p. 220-223
小児神経筋疾患については,近年の非侵襲的陽圧換気療法(noninvasive positive pressure ventilation=NPPV)により,生命予後とQOLの維持が可能になりつつある.非侵襲的な気道クリアランスを含めたスタンダード医療も提唱されている.一方,延命に伴い,医師らも未知の医学的・社会的・倫理的問題に直面している.本人と家族,介護者のQOL低下を長期化させない非侵襲的呼吸ケアを取り入れた環境整備が求められる.そのために,本人や家族への早期からのNPPVに関する情報提供と教育を行う専門多職種を育てることが重要である.