抄録
【目的】本研究は負荷を60%PImaxと高強度に設定し,トレーニング効果を検討するため,健常者30名を頻度の異なる群に分けて吸気筋トレーニングを実施した.【方法】トレーニング群として1日15分2セット週1回(週1回群),1日15分2セット週3回(週3回群),1日15分2セット週7回(週7回群)の3群を設定した.吸気筋トレーニングにはスレショルドTMを用い,60%PImax(最大吸気圧)による高負荷吸気筋トレーニングを4週間継続し,トレーニング前,1,2,3,4週間後に呼吸機能,呼吸筋力,断続的吸気負荷漸増法による吸気筋耐久力の測定を行った.【結果】週3回群と週7回群ではともに,吸気筋力は2,3,4週後に,呼吸筋耐久力は1,2,3,4週後にトレーニング前に比較して経時的に有意に増加した.週3回群と週7回群間において吸気筋力,吸気筋耐久力の増加の程度に差はみられなかった.3群ともに吸気筋トレーニング後,呼吸機能には有意な変化はみられなかった.【結論】本研究の結果から,健常者を対象とした高負荷吸気筋トレーニングで吸気筋力,吸気筋耐久力の増加を得るには,週3回以上の頻度でトレーニングを実施することが望ましいと考えられた.