抄録
COPD患者の日常生活時身体活動量(歩数)を,加速度センサー付歩数計を用いて調査した.また,それに影響を与えると考えられる肺機能(%FEV1.0),季節,外出目的の一つである外来呼吸リハビリテーション通院との関係につき検討した.国民健康・栄養調査(厚生労働省)による一般の平均歩数を上回ったのは全患者中27%で,身体活動量の低さが客観データにより明らかとなった.また,活動低下に大きく影響する肺機能との関係は今回認められず,季節や外来通院との関係を認めた.今後COPD 患者の在宅療養において,肺機能や息切れなどの身体因子のみではなく,生活・活動環境などの身体外因子にも積極的に目を向けていく必要があることがあらためて示唆された.