日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
原著
誤嚥性肺炎発症にかかわる要因の検討
安武 友美子大室 美穂子大池 貴行森下 志子川俣 幹雄河崎 靖範槌田 義美新堀 俊文
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 21 巻 2 号 p. 148-152

詳細
抄録

誤嚥性肺炎初発患者を対象に,発症にかかわる身体機能面,栄養状態,認知面の要因について後方視的に調査し検討した.その結果,歩行能力やADLが低下している患者,また認知能力の低下がある患者は嚥下能力が低く,誤嚥性肺炎発症のリスクがより高いことが示唆された.背景因子としての年齢,BMI,血清アルブミン値とは有意な相関が認められなかった.また基礎疾患として,脳血管疾患,呼吸器疾患との間で嚥下能力に差異は認められなかった.以上のことより,誤嚥性肺炎の発症リスクを低下させるためには,実用的な歩行獲得やADL向上を図るリハビリテーション,認知症進行の予防が重要であると考えられた.

著者関連情報
© 2011 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top