日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
特発性間質性肺炎における6分間マイペース歩行試験の意義
佐々木 由美子藤本 進久保 規彦光國 若也牛村 美穂子八家 方代中林 健一井上 義一鈴木 克洋林 清二
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2011 年 21 巻 3 号 p. 254-258

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抄録
6分間歩行試験(6-minute walk test: 6MWT)は運動耐容能の評価法として汎用されているが,一定のリスクがある.当院では6MWTに加えて6分間マイペース歩行試験(6-minute voluntary walk test: 6MVWT)も実施し比較している.今回われわれは特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias: IIPs)患者における6MVWTの意義を後ろ向きに検討した.その結果,6MVWTはより安全に施行でき,また歩行距離において6MWTに比べ優る群が存在した.この群は有意に高齢で%DLcoが低値であった.また同群は6MWDと6MVWDの差が小さく,この患者群にとってマイペース歩行とは,より長く歩くための最適歩行速度であることが示唆された.6MVWTは高齢で%DLco低値群において安全な代替法となりうる.
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© 2011 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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