日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ワークショップIII
終夜経皮的二酸化炭素分圧測定
富井 啓介
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2012 年 22 巻 2 号 p. 182-185

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抄録
経皮的に動脈血二酸化炭素分圧(PtcCO2)と酸素飽和度(SpO2)を同時測定できるシステム(TOSCA)は,1つのセンサーで耳朶より非侵襲的にPtcCO2(PaCO2との相関はr=0.88),SpO2,脈拍の測定が可能で,12時間のデータを連続的に記録できる.一方難点は通常のパルスオキシメータほど操作が簡便ではない点で,2週間ごとの電極のメンブレン交換,8時間ごとのキャリブレーションが必要である.また機械本体以外にメンブレン,耳クリップ,電解液,コンタクトジェル,校正用ガスなどの消耗品があり,センサーも数年で交換を必要とする可能性がある.これらのコストに見合う診療報酬が認められるようになれば,閉塞型ないし中枢型睡眠時無呼吸,2型呼吸不全の夜間低換気増悪などにおいて,PtcCO2の変動を基にCPAP,NPPVの至適圧,HOTの至適流量の決定が可能と考えられる.
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© 2012 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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