日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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22 巻, 2 号
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教育講演I
  • 石川 悠加, 三浦 利彦, 竹内 伸太郎, 笠井 学
    原稿種別: 教育講演
    2014 年 22 巻 2 号 p. 163-167
    発行日: 2014/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    近年,非侵襲的陽圧換気療法(noninvasive positive pressure ventilation=NPPV)と,器械による咳介助(mechanical in-exsufflation=MI-E)により,神経筋疾患の呼吸マネジメントは,パラダイムシフトを要している.欧米では,窒息と気管切開を回避するために,筋ジストロフィーなど神経筋疾患のモデルとなるいくつかの疾患において,非侵襲的呼吸ケアの国際スタンダードが示されている.本邦でも,NPPVや気道クリアランスなどの適切な選択を可能にし,QOLと生命維持をサポートする新環境順応が求められる.
ワークショップIII
  • 蝶名林 直彦, 堀江 健夫
    原稿種別: ワークショップ
    2014 年 22 巻 2 号 p. 168-172
    発行日: 2014/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
  • 野村 浩一郎
    原稿種別: ワークショップ
    2014 年 22 巻 2 号 p. 173
    発行日: 2014/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
  • 金田 瑠美, 津田 徹, 千住 秀明
    原稿種別: ワークショップ
    2014 年 22 巻 2 号 p. 174-177
    発行日: 2014/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    慢性呼吸器疾患では心血管・脳血管疾患などと異なり,気道感染などによる増悪から入退院を繰り返す症例が多く,医療費の増大をもたらしている.これを断ち切るために,維持期の呼吸リハビリテーションでは継続的な運動療法と多職種参加の患者教育による感染予防が身体機能を維持する点で重要である.しかし,標準算定日数は90日であり,その上限の除外対象はCOPDのみであり,それ以外の疾患では病状詳記を書くか,月13単位にて算定している.また,1単位170点では人件費を賄うのが限度である.これでは呼吸器疾患に対する運動療法や教育の効果を維持することは困難であるため,見直しが必要である.
  • 瓜生 伸一
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 2 号 p. 178-181
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    呼吸ケアを適切に行うには,チーム医療として実施することはいうまでもなく,それらが適正に評価されることが呼吸ケアの向上につながると考えられる.また,呼吸ケアは病院内にとどまらず在宅医療まで拡大している現状から,安全管理体制の強化を図ることが重要と考えられるが,それには,より多くの臨床工学技士を活用することと,それらの適正な評価が必要と考えられる.
  • 富井 啓介
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 2 号 p. 182-185
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    経皮的に動脈血二酸化炭素分圧(PtcCO2)と酸素飽和度(SpO2)を同時測定できるシステム(TOSCA)は,1つのセンサーで耳朶より非侵襲的にPtcCO2(PaCO2との相関はr=0.88),SpO2,脈拍の測定が可能で,12時間のデータを連続的に記録できる.一方難点は通常のパルスオキシメータほど操作が簡便ではない点で,2週間ごとの電極のメンブレン交換,8時間ごとのキャリブレーションが必要である.また機械本体以外にメンブレン,耳クリップ,電解液,コンタクトジェル,校正用ガスなどの消耗品があり,センサーも数年で交換を必要とする可能性がある.これらのコストに見合う診療報酬が認められるようになれば,閉塞型ないし中枢型睡眠時無呼吸,2型呼吸不全の夜間低換気増悪などにおいて,PtcCO2の変動を基にCPAP,NPPVの至適圧,HOTの至適流量の決定が可能と考えられる.
原著
  • 高橋 識至, 三塚 由佳, 飯田 聡美, 安達 哲也
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 2 号 p. 186-192
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    自己管理教育の主要項目としてアクションプランを用いた増悪への対処法を指導した慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者45名(77.5±6.5歳,%FEV1.0 45.6±15.3%)のアウトカムを検討した.アクションプラン設定前後1年間の療養日誌が検討可能であった33名においては,増悪回数に有意な変化はなかったが,予定外受診回数(1.1±1.4→0.4±0.7/年)および入院回数(0.7±1.0→0.3±0.5/年)の有意な減少を認めた.療養日誌の検討不能であった12名においては診療録から検討をしたところ,有意な変化はなかった.アクションプラン設定前後ともに増悪がみられた18名において,治療開始までの日数(4.2±1.9→2.4±1.2)および回復までの日数(11.5±3.3→7.2±2.1)ともに短縮効果を認めた.アクションプランを指導強化した自己管理指導は,COPD増悪への早期対応を可能とし,早期回復および重症化の予防効果を期待できると考えた.
  • 髙井 雄二郎, 山城 義広, 佐藤 大輔, 後町 杏子, 鏑木 教平, 石田 文昭, 小林 美奈穂, 杉野 圭史, 佐野 剛, 磯部 和順, ...
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 2 号 p. 193-197
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    血清B型ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide: BNP)と閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome: OSAS)との関連性について検討した.OSASの重症度と,BNP値は明確な関連性を認めなかった.しかし経鼻的持続気道陽圧呼吸(nasal continuous airway pressure: nCPAP)療法によりBNP値は有意に改善した.BNP値と他因子との関連性では,年齢,収縮期血圧,HDL-Cが正の相関があり,ALTに負の相関があった.OSAS患者におけるBNP値の測定は,OSASのnCPAP療法による心負荷軽減や,脂質代謝への影響を評価できる可能性がある.
  • 佐藤 由起子, 深澤 伸慈, 熱田 了, 武田 康一, 鈴木 勉
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 2 号 p. 198-203
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    高頻度振動換気方法(HFOV)を使用した際に,加温加湿不良が疑われた症例を経験した.この原因は,加温加湿器の吸気温度の検出位置がHFOVの換気方法に影響を受ける位置にあったためではないかと推測された.これの検証目的で,温度検出位置を改良した回路と改良前の回路モデルで,呼気吸気の温湿度,水分消費量と水分蒸散量を検討した.吸気側の相対湿度は改良後90.2±1.64%,改良前83.9±1.35%,絶対湿度は改良後41.7±0.85 mg/L,改良前38.5±0.52 mg/Lと上昇した(P<0.05).水分消費量の合計も改良後105.1±2.68 g/hr,改良前93.3±1.55 g/hr上昇した(P<0.05).水分蒸散量の合計は改良後と改良前で差はなかったが,呼吸回路で改良後38.7±1.90 mg/L,改良前33.8±0.69 mg/L(p<0.05),模擬肺で改良後0.26±0.05 mg/L,改良前4.91±1.11 mg/L(p<0.05)と模擬肺での低下が著しかった.改良を施した回路は模擬肺からの蒸散を押さえ,加湿をより促すことができたと考えられた.HFOVにおいては加温加湿器の温度検出位置が加温加湿に関与することが考えられた.
  • 吉田 一正, 武田 賢一, 河崎 雄司, 西田 陽二, 近藤 清彦, 原田 智也, 山口 耕介, 山崎 章, 井岸 正, 清水 英治
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 2 号 p. 204-207
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者のリハビリテーションでは下肢の活動量についての検討はされてきたが,上肢の活動量についての検討は十分とはいえず,COPD患者で上肢活動量の評価方法は確立されていない.COPD患者(17人)の上肢の活動量,動作の障害程度をActiwatch 2 とPFSDQ-Mで評価し,呼吸機能,呼吸筋力,6-minute pegboard and ring test(6-minute PBRT)で測定される上肢運動能等との関係を調べた.6-minute PBRTでのリング数とActiwatch 2 のカウント数との間に正の相関(r=0.53, p<0.05)を認めた.6-minute PBRTは上肢の活動量のサロゲートマーカーとなり,呼吸リハビリテーションを考えるうえで,上肢活動量の推測とリハビリテーションの効果判定に有用である可能性がある.
  • 多賀 収, 中村 さつき, 石原 敦司, 西山 理
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 2 号 p. 208-212
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    安静時PaO2 70 Torr以上を呈し運動時SpO2低下をきたす未治療の臨床的特発性肺線維症患者8例を対象に経鼻カヌラ4 L/分酸素投与の6分間歩行試験における効果を検討した.患者背景は年齢74.0±8.8歳,男性7例,%FVC 77.1±17.6%,%DLco 72.7±19.6%,安静室内気PaO2 88.4±12.5 Torrなどであった.6分間歩行距離は401.1±100.6 mから438.4±90.4 mへ有意に延長し(P<0.01),延長量は37.3±22.6 m(最小11.0 m,最大75.0 m)であった.最大心拍数や最大呼吸困難感,最大下肢疲労感に有意な改善を認めなかったが,最低SpO2,最大呼吸数は有意に改善した.6分間歩行距離延長量と患者背景因子や最大心拍数,最低SpO2,最大呼吸数,最大呼吸困難感,最大下肢疲労感それぞれの変化量,そしてベースラインの6分間歩行距離との間にはいずれも有意な相関を認めなかった.特発性肺線維症患者における運動時酸素投与によって運動耐容能改善効果が得られる可能性が示唆されたが,その効果が得られる患者背景因子や機序は明らかにならなかった.
  • 安藤 守秀, 片岡 竹弘, 平山 晃介, 戸部 一隆, 森 正成, 江里 健太, 進藤 丈
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 2 号 p. 213-216
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    私たちは平成19年4月より集中治療室に専任理学療法士をおき急性期呼吸リハビリテーションを行ってきた.こうしたアプローチにもかかわらず生じた呼吸器合併症の状況を検討するため,平成22年4月より翌年3月までに急性期呼吸リハビリテーションを実施した症例を対象に呼吸器合併症の有無,その内容および転帰をretrospectiveに調査した.対象例は1091例で,挿管人工呼吸症例は371例,うち187例が48時間以上の長期呼吸管理を受けていた.呼吸器合併症は96例(8.8%)に生じ,無気肺が84例,荷重側肺障害が7例,肺炎が7例,人工呼吸器関連肺炎が1例であった.合併症が死亡につながった症例はなかった.抜管後早期の再挿管は21例であった.積極的なリハビリにより重篤な呼吸器合併症は回避されていたが,抜管後早期の再挿管例がまだみられ,抜管時の慎重な評価が必要と思われた.
  • 小海 菊江, 藤森 勝也, 新保 憲孝, 小野塚 久美子
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 2 号 p. 217-220
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)の在宅生活において,セルフマネジメント(自己管理)は重要である.今回,COPD重症度別にセルフマネジメントに必要な情報についてLINQを用いて評価検討した.対象は,当院通院中のCOPD患者20名.すべて男性.平均年齢76.2±5.5歳であった.
    方法は,対象のBMI,MRC,呼吸機能,6分間歩行試験とそのときのBorg scale,LINQ総スコア,LINQの各ドメインのスコアを調査した.%FEV1.0 50%以上を中等症,50%未満を重症・最重症として,2群に分け解析した.重症・最重症では,中等症に比べてBorg scaleが有意に高かった(p<0.01).さらにLINQ総スコア,ドメイン別スコアでは,「病気の理解度」「運動」のスコアが中等症で有意に高く(p<0.01),情報の不足を認めた.LINQ総スコア,「運動」のスコアは,過去3年間の入院期間と有意な負の相関を認めた(p<0.01).中等症のCOPDでは,自己管理のための情報が不足しており,その要因として患者教育が不足していると推定された.
  • 白仁田 秀一, 堀江 淳, 直塚 博行, 高川 晃敏, 阿波 邦彦, 今泉 潤紀, 田中 将英, 渡辺 尚, 林 真一郎
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 2 号 p. 221-226
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対して,30秒間椅子立ち上がりテスト(CS-30)が運動耐容能評価法として応用できるかを検証した.対象はCOPD患者137例で,主要測定項目はCS-30,6分間歩行距離テスト(6MWT)とIncremental Shuttle Waking Test(ISWT)から求めた予測値最高酸素摂取量(peak pred)で,副次測定項目はmodified Medical Research Council(mMRC)息切れスケール,最大吸気口腔内圧(MIP),最大呼気口腔内圧(MEP),握力,膝伸展筋力,開眼片脚起立時間,Timed Up and Go test(TUG),長崎大学式ADLテスト(NRADL),St. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)である.CS-30と6MWT peak pred,ISWT peak VO2 pred,TUG,NRADL,膝伸展筋力に高い相関が認められ,6MW peak pred=0.38×CS-30+4.42(R2=0.53),ISWT peak pred=0.64×CS-30+1.85(R2=0.59)の有意な回帰式が得られた.CS-30の影響因子は,ISWT peak pred,TUGであった.CS-30は,在宅や狭小な施設において,客観的に運動耐容能が評価できる可能性が示唆された.
総説
  • ──白書における患者の現状と要望──
    藤本 圭作
    原稿種別: 総説
    2012 年 22 巻 2 号 p. 227-230
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    在宅酸素療法あるいは在宅呼吸療法を実施しているHOT/HMV群では,息切れが強く日常生活が厳しく制限され社会への関わりが希薄となっている.収入の減少に加えて高額な医療費により経済的負担が大きく,多くの患者はヘルパーなどの介助を必要としているが,介護保険制度がうまく回転していない.また機器および機器の保守管理,緊急時の対応など今後解決すべき多くの課題が明らかとなった.
  • ──PEGは誤嚥性肺炎を予防できるか──
    寺本 信嗣
    原稿種別: 総説
    2012 年 22 巻 2 号 p. 231-235
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    経口摂取困難な高齢者や誤嚥性肺炎を繰り返す高齢者に対する,栄養摂取は重要な課題である.このような高齢者では,経口摂取を一時的に中止し,経管や経静脈的な栄養管理が必要になる.この際,経皮内視鏡的胃瘻増設術percutaneous endoscopic gastrostomy(PEG)は,重要な選択肢の一つである.しかし,PEGは優れた栄養療法であるが,不顕性誤嚥に対する十分な予防策ではない.脳梗塞後の患者で早期に栄養介入を行うことは予後を改善するが,PEGを選択することで肺炎が減るわけではない.したがって,PEGによる栄養療法を導入する場合,平行して肺炎予防策を講じる必要があり,食事を摂っていなくとも,口腔ケア,嚥下リハビリテーションを行い,胃腸の蠕動運動の改善,胃食道逆流の予防などを行うことが大切である.
  • 杉野 亮人, 南方 良章, 本多 雄一, 田島 文博, 一ノ瀬 正和
    原稿種別: 総説
    2012 年 22 巻 2 号 p. 236-241
    発行日: 2012/10/31
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)における日常活動性は,死亡の最も高い危険因子であり,入院頻度や予後などとも相関することより,重要な治療ターゲットである.しかし,現時点では確立した標準評価法が存在せず,COPDに対する報告が多く信頼性が比較的高いとされているDynaPort Activity Monitor®(DAM)も,大きさ,操作の煩雑さ,連続測定時間の短さの問題が存在する.アクティマーカー®はDAMの問題を克服しており,臨床応用のための検証が行われた.その結果,COPD患者の活動性評価法としての再現性が確認され,雨天でない平日3日間のデータを用いることで反復性が確認され,活動性測定法の標準化がなされた.この方法により,今後COPD患者の活動性の詳細分析や,活動性向上および維持のための介入法の開発などが可能になると考えられた.
症例報告
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