慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対して,30秒間椅子立ち上がりテスト(CS-30)が運動耐容能評価法として応用できるかを検証した.対象はCOPD患者137例で,主要測定項目はCS-30,6分間歩行距離テスト(6MWT)とIncremental Shuttle Waking Test(ISWT)から求めた予測値最高酸素摂取量(peak

pred)で,副次測定項目はmodified Medical Research Council(mMRC)息切れスケール,最大吸気口腔内圧(MIP),最大呼気口腔内圧(MEP),握力,膝伸展筋力,開眼片脚起立時間,Timed Up and Go test(TUG),長崎大学式ADLテスト(NRADL),St. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)である.CS-30と6MWT peak

pred,ISWT peak VO
2 pred,TUG,NRADL,膝伸展筋力に高い相関が認められ,6MW peak

pred=0.38×CS-30+4.42(R
2=0.53),ISWT peak

pred=0.64×CS-30+1.85(R
2=0.59)の有意な回帰式が得られた.CS-30の影響因子は,ISWT peak

pred,TUGであった.CS-30は,在宅や狭小な施設において,客観的に運動耐容能が評価できる可能性が示唆された.
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