日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ワークショップII
災害時呼吸ケアと訪問リハビリテーション
中田 隆文
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2012 年 22 巻 3 号 p. 348-351

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抄録
慢性呼吸障害患者では在宅呼吸ケアを受ける患者もある.在宅医療は医師を中心とした他職種の協同作業で実施され,訪問リハではコンディショニング,運動療法,気道クリアランスなどの呼吸リハを担当する.在宅呼吸療法機器ではトラブルに対する知識と対処法を身に付けておく必要があり,特に停電時の電力確保は重要である.東日本大震災における当院訪問リハではコーディネーターを中心に情報収集,通信指示,訪問,燃料確保の部門を設置し,情報を統制し活動した.在宅患者の安全な療養の継続は災害発生時の地域医療全体に有益で,訪問リハでは特に安否確認,機器の動作確認,電力確保,情報連携,気道のクリアランスの各種法などを行った.災害発生時のライフラインの確保,通信網の整備は必要性を強く認識されたが,十分に整備されておらず,障害弱者と呼ばれる在宅呼吸療法患者の安全な生活を守るための対策が必要である.
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© 2012 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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