日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
原著
肺気腫型および非肺気腫型慢性閉塞性肺疾患における長時間作用型気管支拡張薬の効果の比較
北口 良晃藤本 圭作小松 佳道神田 慎太郎漆畑 一寿花岡 正幸久保 惠嗣
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 22 巻 3 号 p. 398-404

詳細
抄録
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の肺気腫型と非肺気腫型のフェノタイプにおける長時間作用型気管支拡張薬の治療効果について検討した.
チオトロピウムあるいはサルメテロールによって治療されたCOPD患者72名に対し呼吸機能,動的肺過膨張,6分間歩行試験,St. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)を評価し,胸部CTにて肺気腫型と非肺気腫型のフェノタイプに分類し効果を解析した.
チオトロピウムは両フェノタイプにおいて気流制限,酸素化,呼吸インピーダンスを,肺気腫型において動的肺過膨張,6分間歩行距離,SGRQを改善させた.サルメテロールは肺気腫型においてSGRQを改善させたのみであった.
これらの所見はチオトロピウムがサルメテロールより気流制限に対する効果が高いこと,肺気腫型において動的肺過膨張を改善させ運動耐容能,健康関連QOLの改善をもたらすことを示唆している.
著者関連情報
© 2012 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top